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コラム:発達障害のデイケア

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こちらのコラムは、昭和大学附属烏山病院 小峰洋子氏・加藤進昌氏のものになります。東京都福祉保健局の発達障害者支援ハンドブック2015年のご紹介になります。


自閉スペクトラム症(ASD)の方への支援には、 ①薬物療法、②心理社会的支援(精神療法やデイ ケアなど)、③環境調整としての家族支援、が挙げられます。ASDの障害特徴への有効な治療薬 がない現状では、ASDの生きづらさと直結する 「社会性の障害」の軽減に心理社会的支援は重要です。昭和大学附属烏山病院の発達障害専門デイ ケアを紹介します。

1.デイケアの取り組み

烏山病院では2008年より発達障害専門デイケ アを開設し、登録者は300名を超えています。発達障害専門外来でASDの診断を受け、見学の上 で希望した方にASD専門ショートケアプログラムを実施しています。プログラム参加者(メンバー)の目標別に複数のグループ(各10名以内)を用意しています。求職者や就労者、大学生、既 婚者、女子会等です。個別受け持ち制を取って相 談しやすい環境を整えています。

2.支援プログラム

プログラムの目的は、①居場所の獲得、②自己 認知の促進、③コミュニケーションスキルの獲得 であり、「自身に合った処世術を身につける」「同 質な集団で新たな体験をする」ことです。プログラムは以下の4領域で構成されます。 「コミュニケーションプログラム」では “話を 続ける・聞く” スキルを学び、「相手はどのよう な気持ちになるか」を考え、社会性のある行動について考えます。「心理教育プログラム」では発 達障害の正しい理解や、ストレス対処法、感情 のコントロールなどを学習し、「ディスカッションプログラム」では “生活の中で困ること” “対人関係” などをテーマとして一定のルールで話し合います。悩みを共有することで、自己認知の促 進や共感的な行動を高めることを目的とします。 「レクリエーションプログラム」では、卓球や散 歩、テーマトークなどを通して他者との関わりを 経験します。

3.グループへの参加を通して

メンバーは、これまで対人関係に困難を感じ、 “付き合い方が分からない” “関わるチャンスがなく経験が乏しい” など、集団での居心地の悪さを 感じると同時に、仲間を望む気持ちをもっています。デイケアで初めて他者と興味や関心を共有し、自他を受入れる経験をするASDメンバーも少なくありません。同じ障害を持つ者同士の共有 体験を通して、共感的に振舞うスキルが習得され るように思います。「自分の振る舞いが相手に与える意味を考える機会になった」や「自分を相対 化する経験となった」という感想が聞かれます。

4.ショートケアから社会参加へ

2012年からは全20回の標準プログラムでのショートケアを始めています。これまでに卒業した非就労群143名のうち、プログラム終了後に社会との接点をもつ方向(平日デイケア、就 労訓練、障害者就労)に87%が移行できました。 就労群80名では一般就労が83%を占めますが、 86%は雇用継続できていました。この動きが全国的なものになっていくことを願っています。

以上

上記内容がコラム部分になります。私としてもこういった取り組みが増えていくことはとても歓迎します。ただ発達障害と言っても、人により程度や凹凸が全く違うので、個々人のプログラム強化、グレーゾーン発達障害や軽い発達障害の方のトレーニングにも力を入れてもらいたいと思っています。普段一般企業で働いている人にも企業での発達障害の悩みや、家庭での発達障害の悩みが多く見られます。ただそれを安価でトレーニング出来る場が少ないのが悩みでもあります。見つけても非常に高価で通い続けられないというのはよくあります。
今後は、こちらでそういったトレーニング出来る場を作り出したいと思います。


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