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中高年の婚活を難しくする厄介な「4つの条件」 「マザコン」と「母親を大事にする男」は紙一重

お見合いを何度してもなかなか結果が出せない人たちは、何が問題なのでしょうか

お見合いを何度してもなかなか結果が出せない人たちは、何が問題なのでしょうか(写真:Kazpon/PIXTA)

“ステイホーム”で孤独を感じ、結婚をしたいと思う独身者が増えている。婚活業界は緊急事態宣言期間中、オンラインお見合い一色だったが、ここにきて対面お見合いも徐々に行われるようになってきた。しかし、お見合いを何度しても、なかなか結果が出せない人たちがいる。仲人として婚活現場に関わる筆者が、婚活者に焦点を当てて、苦労や成功体験をリアルな声と共にお届けしている連載。今回は、「婚活を難しくさせる4つの事情」について記す。

「最後のチャンスに、子どもを授かりたい」

秀明(47歳、仮名)は、30代後半から婚活を続けているのだが、なかなか結果が出せずにいる。私の相談所には45歳になったばかりの頃にやってきたのだが、入会面談のときに、こんなことを言っていた。

「最後のチャンスに、子どもを授かりたいんです。できたら30代の女性と結婚をしたい」

40代、50代の初婚男性には、「子どもが欲しい」という人たちが、とても多い。

秀明は、背が160センチ半ばで小太りではあったが、誰もが知っている大企業に勤め、年収が870万円あった。見合いは組めるだろう。しかし、女性の年齢を30代と限定してしまうと、選べる候補者が少なくなることを説いた。

「婚活を成功させるには、お相手の年齢を限定しないほうがいいんですよ。選べる人数が狭まってしまいますから。30代の女性にお申し込みをかけながらも、40代の女性もお相手候補に加えてみてください」

多くの男性は、40歳を越えた女性に出産の可能性を見出していない。しかし、現在厚生労働省は、43歳未満の女性には、体外受精の補助金を出している。それは、その年齢までなら、出産が可能だとデータで割り出しているからだろう。実際に40歳を超えて出産している女性たちも増えている。近年では、浜崎あゆみさんが41歳、滝川クリステルさんが42歳、華原朋美さんが45歳で出産したことが話題になった。

そんな話を面談のときに、秀明にした。

入会後、まずは私の所の会員である敦子(39歳、仮名)との見合いを組んだ。お見合いから交際になったが、5回目のデートを終えたときに、敦子から、“交際終了”の連絡がきた。

終了したい理由は、こうだった。

「秀明さん、結婚後も今の一戸建てで暮らしたいと考えているようです」

新宿まで電車で1時間かかる場所に、一戸建てを3年前に購入していた。

「私は結婚しても今の職場を辞めたくないし、そこから通勤するとなると1時間半かかる。1日のうちに、往復3時間を通勤にかけることは、考えられません。それに、車を足代わりに使わないと不便な場所。私は免許を持っていないし、ずっと都内で生活してきました。持ち家があるのはお見合いのときから知っていましたが、結婚後にそこに住むとは言っていなかった。『都内にマンションを借りてもいい』と言っていたのに、お会いしていくうちに、言うことが変わってきてしまったんです」

「家の事情」が変わった理由

入会面談のときに、私は、お相手選びの年齢の幅を広げることと一緒に、住む場所を限定しないことも伝えていた。そのとき、彼はこう言っていた。

「今住んでいる一戸建ては、結婚が決まったら誰かに貸してもいいかなと思っています」

ところが、なぜそこに住むことにこだわりだしたのか。敦子から交際終了が来たことを告げながら、家の事情が変わった理由を聞いた。

「親が結婚を急かすので、『結婚は考えていないわけではないし、婚活もしている』と伝えたんです。それで、『もし結婚する相手ができて、その相手が今住んでいる家だと通勤が不便だというのであれば、人に貸して都内のマンションで暮らそうと思う』という話をした。そうしたら、『人になんて貸したらどんなふうに使われるかわからないし、家が傷むからダメだ』と反対されまして」

それを聞いて、私が言った。

「秀明さんは、45歳のいい大人なんだし、親に反対されたからといって、それに従わなくてもいいんじゃないですか?」

すると、秀明が言った。

「実は、頭金を親が出してくれたんです。住宅を購入する場合、親からなら上限金額はありますが非課税で援助してもらえるから。生前贈与で、そのほうが得だと思ったので」

確かに親がお金を出していたら、口も出したくなるだろう。ただ住む場所を限定してしまうと、今回のように女性がそこに住むのを拒むと、まとまる話も壊れてしまう。30代の女性と結婚したいという条件はクリアしたものの、住む場所を限定したために、この話はなくなった。

敦子との交際終了後、いくつかのお見合いを繰り返したが、交際になっても1~2度食事をすると断られることが続いていた。そんな中で、昨年、父が他界した。

秀明は、男2人兄弟の長男だが、弟はすでに結婚をし、子どもも2人授かり、関西圏で暮らしていた。長男としての責任もあり、これから老いていく母の近くにいたいという気持ちがますます強くなったようで、今の持家に住むというのは、婚活していくうえでの譲れない条件となった。

その後、里江(41歳、仮名)と、見合いの後に交際になった。里江は、秀明の家の最寄駅から3駅離れた場所に住んでいたので、結婚後に秀明の持家で暮らすことに問題はないだろうと、私は思っていた。

ところが、秀明が仮交際から結婚を前提にした真剣交際の申し出をしたところで、里江の相談室から “交際終了”の返事が来た。

「秀明さんは、お母様の話をよくされていたようです。お父様が亡くなって、お母様1人だから、ご心配なのでしょう。お母様を大事にすることは決して悪いことでなないのですが、“結婚後に自分よりもお母様のことを優先させるのではないか”“結婚して何年か後に介護の負担が自分にかかってくるのではないか”と思ったようです」

母親の話題を多く出す男性に、マザコンの臭いを感じる女性は多い。

男性側の親の介護の心配もある。生活圏内で出会った恋愛結婚ならば、すでに相手に対する愛情が育っているので、老いた親がいることもあまり気にならない。また20代、30代前半ならば、親も現役で働いているので、“いつかは親を介護するときが来る”というところまで想像が及ばない。

しかし、お見合い結婚の場合、まずは相手を条件で判断してそこに気持ちを重ねていく。婚活者が40代、50代の場合は、親も70代、80代になっているので、親の介護を直近の現実的な問題として捉えてしまう。

私は、交際終了になった理由を、秀明に告げた。すると、彼が言った。

「母親はまだ元気だし、結婚しても同居はありませんよ。母も、『この年になって、お嫁さんに気を遣いながら暮らすのは嫌だ』と言っていますしね。ただ、人間みんな平等に歳を取るのだし、介護しないといけなくなったら、そこは面倒をみるつもりでいますよ。親に育ててもらった恩もありますし。ただお嫁さん1人に、介護を任せきりにするなんてことはしませんよ」

そうは言っても、目と鼻の先に老いた姑が住んでいる場所に、嫁に行きたくないと思う女性たちが多いのは現状だ。

ペットは家族だが、縁を遠ざける

その後、秀明は見合いを再開し、麻由香(40歳、仮名)と交際するようになった。ところが、2度ほど食事をして、今度は秀明が交際終了を出してきた。

「麻由香さんは、1人暮らしだけれど、猫を2匹飼っている。それはプロフィールに書いてあったから、知っていました。お見合いのときには『結婚して猫が連れて行けないなら、猫は実家で育ててもらう』と言っていたのですが、『結婚したら、一緒に連れて行きたい』というのが本音のようです。僕は、猫アレルギーで、猫を飼っている家に行くと、くしゃみと鼻水が止まらなくなるんですよ」

最近は猫ブームで、女性アイドルや人気ユーチューバーの中にも猫を飼い、それを動画やインスタにアップしている人たちが多い。また、昼間家を留守にしがちな1人暮らしの場合、猫が寂しくないようにと2匹をつがいで飼う人たちが増えている。

猫アレルギーであることは麻由香に言っていなかったそうだが、「結婚するときは一緒に連れていきたい」という話をされたときに話した。すると、それ以上、彼女も猫の話はしなくなったという。

麻由香の相談室に、“交際終了”の連絡を入れたところ、先方の仲人から、こう言われた。

「昨夜、麻由香からも“交際終了”の連絡がきたので、お伝えしようと思っていたところです」

お断りの理由は、やっぱり“猫”だった。

条件の足し算ではなく、引き算を

婚活は、歳を重ねるほどに難しくなっていく。年々、独身者が減っていくので選べる相手が少なくなっていくのは周知の事実だ。そんな中で、会社では責任ある仕事を任せられるようになるので仕事はますます忙しくなり、親は年老いていくので介護を近い将来の問題として捉えるようになり、生活をしていくうえでの縛りが次々と出てくる。また歳を取るほどに考え方も頑固になり、若い頃のフレキシブルさがなくなっていく。

そんな状況の中で、家を買ってしまったり、ペットを飼ってしまったりしたら、さらに相手を選べる範囲を狭めてしまう。

また、秀明のように“最後のチャンスに子どもが欲しい”という願いがあると、選ぶ女性の年齢の範囲も限られ、さらに婚活を厳しいものにしていく。

入会当時は45歳だった秀明も、現在47歳、もうじき48歳になろうとしている。彼が結婚したいと思っている女性たちとの年齢差もますます広がっていく。

中高年になって婚活を成功させたいなら、女性も男性も条件の縛りをなるべく少なくすることだ。あれもこれもと、相手への条件を足していくのではなく、譲れるところは譲っていって条件を引き算してほしい。

条件に目がいきがちだが、結婚にとって本来大切なことは、気の合うパートナーと生涯寄り添い、1人よりは2人の豊かな人生を送ることなのだから。


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