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『冷静、博識、几帳面…なぜか嫌われてしまう人の9つの特徴』「理屈っぽい」は損しがち

『冷静、博識、几帳面…なぜか嫌われてしまう人の9つの特徴』「理屈っぽい」は損しがち

写真=iStock.com/fizkes※写真はイメージです

上から目線で理屈っぽい人は、なぜそうなのか。メンタリストのロミオ・ロドリゲスJr.氏は、「自信のなさやコンプレックスを隠すために理屈に逃げ込んでいるだけだ」という――。

※本稿はロミオ・ロドリゲスJr.『メンタリズム 最強の講義』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

「疑い深い観客」をコントロールする方法

心理学などに基づく暗示を使って見る人の意表をつくパフォーマンスを「メンタリズム」といいます。

メンタリズムのステージにおいて、メンタリストに疑いの目を持つ人は必ず一定数存在します。「俺はだまされないぞ」「全部トリックを見抜いてやる」などと身構える人たちです。そういう人はおおよそ椅子に深く座り、少し沈みがちな姿勢になるので、ステージから見るとよくわかります。

私はそんな人をわざと指名して、ステージに上げます。どんな疑いの目を持っていても、やはり突然ステージに上げられたら観客は緊張するものです。

そこで、これから起こるパフォーマンスについて説明をする際、ありったけの心理専門用語を多用します。しかも「もちろんご存知のように……」という言葉を加えて。

すると、相手は恥をかきたくないという心理が働き、素直に説明についてうなずくようになり、徐々にこちらのペースに持っていくことができます。

メンタリストならこういうタイプをコントロールする術は知っているので、特に問題はないのですが、「1」をいえば「10」くらいにして言い返し、理論であなたを完膚なきまでに論破しようとする人があなたの周りに1人や2人はいるはずです。

このような人種にはかなりの共通する点があり、そのうちの一つに「専門用語」や「難しい言い方」をすることが挙げられます。相手が会話についてこられないように、こうした言葉を多用するのです。

とにかく相手がこのまま会話に参加できなくさせること、これがこの種の人間にとって重要なのです。そしてメンタリストは、このようなタイプの人に対して、前述したように先に仕掛けていくのです。

理屈っぽい人は一見自信がありそうだが…

なぜ彼らはこのようなことをするのか? 一見こうした人は自信がありそうですが、実はまったくその逆。彼らは「自信がない」のです。理屈や理論を詰めることで自分の精神的な盾をつくっているのが真実です。

テレビなどメディアで持論を掲げて、相手をバカ呼ばわりする人が存在しますが、強気そうで一見自信の塊のように見えても、実は心の底では自信がありません。

「いや、そんなことないでしょう」とあなたは思うかもしれませんが、本当に自信のある人は、持論はおろか、他人の意見に対して反対意見をぶつけることはないのです。

持論を他人にぶつけることや、持論が正しいと認めさせたいという行動自体が、心理的な弱さの証拠であり、いわゆる理論武装をして自身を守っているのです。

「理屈っぽい」は損しがち

もうひとつは「コンプレックス」を隠したいという心理です。

特に学歴の高い人に多いのですが、知性や頭脳に関するコンプレックスが強いと、こちらが求めてもいないのに、自分を賢く見せようとする傾向が非常に高いです。

意識高い系の学生が、本当はよく理解していないのに、専門用語や横文字を使った会話をして、あたかも自分が賢くなったかのように錯覚しているのもこれと同じです。

どちらにしても、「理屈をこねる」ということは、本心では自分のことを信じていない、つまり自信がないと判断するべきでしょう。

理屈っぽくなると、一番損をするのは当の本人です。まず一番に挙げられるのはコミュニケーションができなくなるという弊害です。あなたも経験があるかもしれないので、すぐにおわかりになると思いますが、理屈っぽいと他人は離れていきます。

「この人は何を考えているのかわからない」「この人は自分のことばかりで、こちらのことには関心がない」と思われてしまうのです。

理屈をこねることで自分の精神を守っている

また理屈をこねる人は自信がないにもかかわらず、プライドだけが高いので、よく上から目線で相手と対話します。

バカにされたくない、賢く見られたいという思いがあるので、専門用語を多用し、持論が正論とばかりに話し、さらに相手との距離をあけてしまうという結果になるのです。

こうした自分の精神を守るための防衛機能は誰にも存在し、自分の感情や本能、欲求に直面することを避けて「知性」の世界に逃げ込む行動のことを、「防衛機能の知性化」と言います。

知性化には、自分の本能や感情という「理論に基づかない感情」に理屈をつけて説明することで、自身が受け入れがたい状況を、なるべく自分にとって受け入れやすいものへと変えていく効果があります。また、知性や学問などの権威のある世界の言葉を借りることで、自分の気持ちをさらさずに感情をコントロールしようとする目的もあります。

このように理屈というのは、自分にとっては一時の逃げ口上となり、他人にとっては百害あって一利なしといっても過言ではありません。

自分の理屈っぽさもチェックしてみよう

もしあなたがこのような理屈屋であれば、悪いことは言いません、即刻やめるべきです。なぜなら、これらの行動は習慣化してしまう傾向が高く、いつの間にか理屈屋から脱却できないという状況になってしまいます。

理屈っぽさのクセが習慣化すると、間違いなく人間関係が悪い方に傾きますので、あなた自身が理屈屋であるかどうかもチェックしてみましょう。

次の項目1個以上でも思い当たる項目があれば、あなたは理屈っぽい人になりやすいと考えて間違いないでしょう。
すでに3項目以上思い当たるふしがあれば、すでに理屈屋と断定しても構いません。

・自分はいつも冷静沈着だと思う
・博識であり、知識の幅が広い
・完全主義で几帳面
・短気である
・自分のペースが最優先
・こだわりを持つ
・すべてを論理で片づけようとする
・会話するときに、内容を多く詰め込みすぎる
・言い負かされることを極度に嫌う

いかがでしょうか?
もし3項目以上当てはまるようであれば、自身の人間関係を見直したほうがいいと思います。周りから距離を置かれてはいないか、よく意識して気づくべきです。

「防衛機能の知性化」を止める極端な方法とは

ただ、こういった本能に近い習慣はなかなか治せないものです。意識こそはするもの、しばらく経つとまた元通りに戻るのが常です。人には「サーモスタット機能」があり、変化を嫌う傾向があります。

ロミオ・ロドリゲスJr.『メンタリズム 最強の講義』(日本実業出版社)

そこでこういった習慣を変える最新の方法論をご紹介しますので、ぜひ活用してみてください。これはウェブ音楽販売大手「CD Baby」の創設者でライターでもあるドレック・シバース氏が提唱する納得の方法です。

私たちが変化できないのは、そのやり方が間違っているからです。いや、間違っているのではなく、やり方が「甘い」のです。

シバース氏はシーソーの比喩を用いて説明をしています。

私たちが何かを変えたいとき、その状況はシーソーの片方にレンガがたくさん積まれている状況ですが、そのレンガを1つずつ反対側に移動したとしても、バランスが変わることはないわけです。そんな悠長なことをしていると、一生かけても変わらないのです。

1つずつではなく、「一気」に動かす。根本的に改善したいなら、極端にならなければならないというわけです。つまり、防衛機能の知性化を止めたい場合、全くその反対の人間になればいいのです。

理屈っぽさをなくすには一気に変える

先ほど理屈っぽさの度合いを測るために使用したリストがありましたが、そのリストの反対の人間になるようにするわけです。ここで変更するポイントは1つではなく、9つあるのがミソです。

人間は1つのことを変更するのは、実は簡単そうで難しい。しかし、ここでは9つも項目があるので、すべての項目をこなすためには、力の分散が必要になってきます。実はこの力の分散がうまく働き、すべての項目の変更を成し遂げられなくても、結果的にこのうちの2、3項目を変えることになり、理屈っぽさが消えていくのです。

ちなみに変更するポイントは次のような9つになります。

・感情的になってもいい
・知識を披露しない
・ほどほどに
・のんびり
・周りのペースに任せる
・こだわりを持たない
・度を過ぎた論理的な物言いは相手に嫌われると考える
・ポイントのみ伝える
・そもそも会話で競争しない、勝ち負けの考えをしない

いかがでしょうか? 理屈っぽさが消えれば、人に嫌われはしないし、毛嫌いされることもないのです。何よりもストレスを抱えなくてすむのです。


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