昨年度2022年、全国の自治体に寄せられた福祉施設での障害者への虐待に関する相談や通報は3200件を超え、統計を取り始めてから最も多くなったことが厚生労働省のまとめで分かりました。
厚生労働省によりますと、去年3月末までの1年間に全国の自治体に寄せられた障害者福祉施設の職員などによる虐待についての相談や通報は3208件でした。前の年度から12%増加し、平成24年度に統計を取り始めてから最も多くなりました。また、虐待を受けた障害者は956人に上りました。
知的障害がある人が70%以上を占めたほか、障害の程度が重い人のほうが多いということです。虐待の内容では「身体的虐待」が57%、暴言を吐くなどの「心理的虐待」が42%、「性的虐待」が15%などとなり、中には複数の虐待を受けた人もいました。
相談や通報をした人は「本人」が17%、「職員」が15%、「設置者や管理者」が14%、などでした。
障害者への虐待をめぐっては、発見した人に通報を義務づけることなどを定めた「障害者虐待防止法」が平成24年に施行され、昨年度は家族など養護者からの虐待についての通報や相談も統計開始以来最多の7337件に上っています。
厚生労働省は「軽微な事案でも少しでも虐待かもしれないと思ったら通報してほしい」としています。