文部科学省は2023年8月24日、不登校の高校生への支援策として、自宅で遠隔授業を受けて単位取得するのを認める方針を決めました。上限は36単位で、卒業に必要な単位の半数近くとなります。
省令改正を経て早ければ来春から適用となる見込みです。同時に少子化対策を目的にした規制緩和も行い、小規模高校では他校の授業を遠隔で受ける際の教員配置条件も変更予定です。
高校教育について議論する中教審作業部会は8月24日の会合で、こうした改革案を提言する方向性を確認しました。
文部科学省によると、高卒に必要な単位は74以上で、病気で登校できない生徒らに対する特例はありましたが、これまで自宅で遠隔授業を受けるのは認められていませんでした。
ただ今後は、全日制や定時制の高校で校長が認めれば、担当教員らの同時双方向の授業を不登校の生徒が自宅からオンラインで参加する形態でも授業を受けたとみなすことができるようになります。
文部科学省の集計では、2021年度に不登校だった高校生は約5万人で、新型コロナ前とほぼ同水準です。ただし、小中学校における不登校は約24万5千人と急増しており、高校段階での対策の必要性も高まっていたことから今回の決定をしました。