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HSPという言葉をご存知でしょうか?
HSPとは、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」と呼ぶ頭文字をとって「HSP(エイチ・エス・ピー」と呼ばれており、生まれつき「非常に感受性が強く敏感な気質もった人」という意味です。
HSPは環境や性格などの後天的なものではなく、先天的な気質、生まれ持った性質であることがわかっており、統計的には人口の15%~20%程度いると言われています。20%というと、5人に1人があてはまる『性質』であり、稀ではありませんが、約8割の人はこの性質にはあてはまらいことや、当人があまり表に出すことを望まない場合も多く、ご存知ない方も多いと思います。
HSPの人にはいくつかの特徴があります。
HSPを提唱したアメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士は、著書『ひといちばい敏感な子』の中で以下の4つの特徴すべてに該当する場合はHSPであると解説しています。
※上記4つの特徴の頭文字をとって、DOESと呼ばれます。
また、その他にもこのような特徴もあります。
心の境界線が薄い・もろい
心の境界線とは、自分のテリトリーもしくは自分が自分であるためのバリアのようなものです。HSPの人はこの心の境界線が薄くてもろいため、容易に相手からの影響を受けてしまいます。その性質は、人の気持ちを敏感に感じ取り、深く共感する一方、相手に対して過剰に同調したり、相手の気分や考えに引きずられるなど、本音がわからずに自分を見失ってしまいことがあります。
疲れやすい
HSPの人は刺激に敏感であるがゆえ、疲れやすいという特徴を持っています。いつも周りに気を遣っているため、楽しいことであっても疲れてしまう傾向があります。疲れやすいのは「何かをしている」時に限りません。HSPの人は普段から無意識に周りの刺激をアンテナのように拾い集めているため、人混みにいる時や、周りの人のネガティブな感情に巻き込まれている時にも大きく消耗してしまいます。
自己否定が強い
HSPの人はその繊細さから、対人関係において余り相手を責めることをしません。良心的で優しく、相手のことを優先する傾向があります。その半面、相手のことを気にするあまりに些細なことでも「自分が悪いのではないか」と自分を責め悪い方向に考えてしまう傾向もあります。ネガティブ思考で自分に自信がないため、周りからの怒りの標的にされることも多く、自分の本音を隠してしまうことから人との関わりが苦手という特徴があります。
つまり、HSPとは人よりも感度の高いアンテナを常に張っている状態となります。
そしてこの感度の良いアンテナは、小さな仕草や言動で相手の気持ちを汲み取ることができたり、色々なものに深く感動できたりしますが、反面様々なことを敏感に感じ取り過ぎてストレスの要因になるのです。
日本人は国民性から、HSPの割合が海外の人より比較的高いと言われています。
社会は大多数の人に合わせるようにできています。特に日本は、大多数や声の大きい人に従い、場の空気や和を乱さないよう小さい頃からいたるところで諭されます。海外、特にアメリカなどは人種のルツボと言われるくらい様々な人種がいるので、自分と違った意見を持つ人が当たり前となっていますので、逆に自分の意見を言わないと弾かれてしまうくらいです。
HSPの人は感受性豊かで、人とは違った感じ方や考え方を持っているのに、周りに合わせなければいけないと思い、本当は自分と違った意見や状況でも合わせることに従わざるをえません。
そういう中で、常にそれらを気にしながら自分を安定した状態に保つことは至難の業で、なおかつHSPの人は小さな声でも訴えるという事が苦手な為、あっという間に自分が追い込まれた状況に追い詰められてしまいます。
このようにHSPは少数派な中で、自分と違ったものに合わせるという苦しい作業と苦しい思いをすることになります。なおかつHSPの人には、目に見えた特徴が見当たりませんので、周りは認識するのが難しい状況であり、自分自身も”おかしくない”と思われないように合わせる事に精一杯で追い込まれていくしかなくなってしまうのです。
かくいう管理人もHSPに該当しており、30代の後半まではこの言葉自体を知らなかったものです。私は、人の言葉を真に受けやすく、傷つきやすく、変に思われていないかと人の目を気にして、人に何も言えないからいじめられるわ、仕事のメールを送るときでさえ、変に思われないか、上司におかしいと注意されないだろうかと1通送るのにビクビクしながら悩み時間も非常にかかったなどつらい思いばかりでした。
今も全てが順調で治ったかといえばそんなことはありませんが、昔に比べたら考え方も変わり、そこまで自分の変な考え固執することもなく、上手くできるようになったと思います。
HSPこれ自体はもうその人の気質ですので、治すというよりはその環境に合わせて考え方を変えるしかないのかもしれません。管理人は、そんなことは思われない、思われてももはや関係ない、など強く頭に意識して意識改革を行うようにしたり、環境適応をしました。しかし、気質としては変わっていないので、もちろん普通の人なら感じないだろうストレスも感じますし、疲れる時もありますが、昔に比べたら余計なことを考えすぎて動けない、考えすぎて疲れてしまうというようなことは減ったように感じます。
ということで、HSPをどうするかと言われると、HSPにはメリットも多々ありますので、デメリットをどう減らすかが解決への道なのではないかと思います。そのためには、自分のHSPを正しく知ることが必要だと思います。
物理的なものなら下記のような方法もあります。
例えば、そもそも感じていた刺激量は人と比較してどうなのか?、自分が甘えていたのか、本当は全員がそうなのか?、自分の感覚がおかしいと思いこんでいたが、そうではなかったのかもしれない、など自分が苦しい事・場面はどんな時で、他の人はどういう風に考えていたのか、自分の考え・意見は変に偏っていないか等を知ることが大切だと思います。
それには管理人のように一人で取り組むこともできますが、カウンセリングや病院に行くということもできると思います。管理人の場合は、こういった症状や言葉などを教えてくれる人がいなかったですし、インターネットなどなかったので、自分ひとりでなんでも解決するしかなかったので、そうなっただけです(泣)今でしたら、クリニックやカウンセリングなどに行ってみるのが近道でやりやすいのではないかと思います。もちろん医者によって善し悪しがかなりあるので、いくつかセカンド・オピニオンのように見極めをしっかりとして下さい。
まずは、ここまでとし、皆様がよりよい人生を歩めるよう応援しております。
当サイトでもHSPのセルフチェックを持っていますので、もしご興味あれば参考にしてみて下さい。
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