発達障害は、脳機能の発達に偏りのある脳機能障害と言われています。ただ脳は人それぞれ特性が違い、得意なこと不得意なことも違います。発達障害の人は、その得意不得意の差が定型発達の人よりも大きいような状態であって、苦手なことは苦手で、得意なことは得意という、ある意味はっきりした人となります。またこの得手不得手の差が大きいほど凹凸が大きいと言われ、人によっては大変苦労されていると思います。
発達障害は名前だけ見ると障害と名の付く一種の病気のように見えますが、あくまでも脳の特性で個人差が非常に大きいため、単純に全員が同じ治療をすればいいというものでもありません。また、治療と呼ばれるものをしても、脳の特性である以上治るものではなく、トレーニングによって凹凸を減らし、当人が社会に馴染みやすくするという形になります。
ただ、いくら頑張っても苦手なことは苦手ですし、得意なことは他の人よりもかなり才能を発揮できますので、果たして凹凸を減らすのが単純に良いのかどうかは分かりません。また本人が無理をしたり、ずっと我慢をするようなことは、続きませんし、その人の人生としたら、本当にそれでいいのかと考えてしまいます。
ですので当人の状況を良くする方法は、大きく分けて2つ考えられます。
この2つを徐々に改善することにより、状況は少しずつ良くなっていきます。
※こちらに記載している内容は、管理人自身がお金を払い各専門家のカウンセリングにてご教授頂いた内容や、専門書から集めてきた内容を記載しております。全般的に効果が高いと言われているもの記載していますが、人により個人差があります。また、速攻の効果を期待と言うよりは、徐々に効果を期待して、ダイエットと同じように反復して繰り返していきましょう。
目次
発達障害の人は総じて前頭葉に問題が多いようです。
そのため、セロトニンが定型発達の人よりも少ないと言われています。
セロトニンとは、
・ 脳幹の縫線核から脳の広い範囲に結合している。
・ セロトニン神経は一定の頻度でインパルスを出し続ける。
・ 覚醒時にはセロトニンの分泌が脳全体におこり、脳内のセロトニン濃度が一定に保たれる。
すなわちセロトニン神経とは、下記の役目があります。
・ 脳全体を覚醒状態に保つ
・ セロトニン神経は覚醒を演出する
・ 元気の状態を演出する
セロトニン神経は心身がスムースに活動できる準備状態を作るので、覚醒するとセロトニンは規則的なインパルスを出し続ける。これは車にたとえるとアイドリング状態です。朝の目覚めとともに、セロトニン神経が活動すれば、寝起きのよい爽快な心身の状態が作られるのです。脳内アミンはあと2種類あります。ノルアドレナリンとドーパミンです。この2つの神経で加減速します。ドーパミンで加速し、ノルアドレナリンで減速するのです。
アイドリング状態が作れないとキレやすくなります。
たとえばアイドリングが十分でないと寝起きが悪くなるし、1日中すっきりしない状態になります。ちょっとしたことでも興奮する。キレやすくなる。すっきりしない気分に興奮しやすい状態が重なり、夜はよく眠れない状態になるのです。よく発達障害の人はキレやすい(怒りっぽい)と言われますが、それは身体の中の状態が悪く保たれているため、このようにキレやすく(怒りっぽく)なってしまいます。
※自閉症児のかんしゃくは、セロトニンの代謝のトラブルです。自閉症児には睡眠障害も良く見られます。
セロトニン欠乏の行動
1) あまり歩かない
2) 硬いものを食べない
3) ストレスだらけで息を詰めて仕事をする
4) 昼夜逆転で太陽の陽をあびない
5) ゲーム漬けの生活をする
6) 閉じこもって生活をする
セロトニン欠乏の症状
・ すぐキレる
・ 摂食障害
・ 過食
・ 拒食
・ パニック障害
・ うつ症状
・ 睡眠障害(眠れない)
・ 寝覚めがはっきりしない
セロトニンが欠乏すると筋肉への影響もでます。
正しい姿勢、精悍な顔つきは抗重力筋がしっかりと収縮するおかげです。抗重力筋とは次の筋肉にあります。
・ 首筋
・ 背骨のまわり
・ 下肢の筋群
・ まぶた
・ 顔面の筋群
セロトニンは運動神経を刺激して興奮レベルを上げるので、セロトニンが弱まると、背中が曲がり、目元に力がなく、顔に張りがなくなります。セロトニン神経の弱い子の診察時の姿勢は腰かけにもたれてだらっとしています。
反対にセロトニンが鍛えられると、禅僧(モデル)のように背筋が伸び、顔にしまりがでます。
感覚への影響もあります。セロトニン神経の弱っている子は痛み刺激に弱く、注射で泣き叫ぶようになります。セロトニン神経の活性化で鎮痛効果が現れます。「心頭滅却すれば火もまた涼し」といいますよね。
適度な運動と食事、早寝早起きが基本!
内面の問題もあるとは思いますが、まずは肉体的に調子を整えることから始めるのが、入りやすいと思います。
そのため、まずは1つずつ出来ることから初めましょう。
早寝早起きを心がける、食事に気をつける、運動をする等。いきなり全部は難しいので、まずは自分ができそうな体に訴えることを行いましょう。その後現在困っていること、改善したいことに合わせて内面もトレーニングすることをオススメ致します。
良い運動に関して
運動に関しては、腹式呼吸、ウォーキング、水泳、ダンス(エアロビ)などがよいでしょう。もし小さいお子さんにも勧めたいというのであれば、泣くこと、お乳を吸う、ハイハイ、咀嚼運動、歩行運動、駆け足、遊戯、自転車こぎ、水泳(バタ足、クロール)、音読、歌を歌う、太鼓たたき、手まりつきなどがよいです。
・トリプトファンを多く含む食材をとる
バナナ、大豆、大豆製品、乳酪製品などが多いと言われています。
・タンパク質を多く摂取しよう
肉、魚、大豆など、タンパク質を多くとるようにしましょう。
・なるべく炭水化物を避ける
これは、あまりまだ有名ではありませんが、吉濱ツトム氏のカウンセリングを受けた時に言われた話です。アメリカの文献によると発達障害の人は炭水化物が脳に悪影響を与え、障害特性を強くしてしまうそうです。そのため、私もなるべくは炭水化物を取リすぎないようにコントロールしています。
・小麦粉(グルテン)は避ける。
・糖質(お米)も避ける。
・炭水化物が取りたい時は、パンを止めてご飯にする。
・糖質とカフェインにも注意
取り過ぎると、発達障害の特性が出やすく、コントロールしづらくなるので、なるべく取りすぎないように注意して下さい。特にコーヒーを毎日の習慣にしている方も多いと思いますが、なるべくなら減らしたほうが良いです。
脳内でのセロトニンの合成と代謝を助けるのはビタミンB6、マグネシウムです。
そのため、まずはサプリメントで足りないビタミンを補い、タンパク質の摂取、糖質(お米等)の摂取を減らす等の身体改善から行うのが良いでしょう。
・自宅でのペースとスペースの確保(自宅に自分の部屋を持つこと)
・最低で1週間に一回は自分の時間を持つ(最低でも1回に4-5時間)
・趣味を10個書き出し、それを自分の時間に行う。
※発達障害の人は脳の特性上、幸せを感じづらい事があり、少しでも幸せを感じるようにする。
・パートナーと、義務として共同作業の時間をもつ。
週1日は出かける、外食する等、内容はパートナーと決める。
なお自分から誘うことにより、より相手は喜ぶ。
・結婚生活での役割を細かく決める。
発達障害の人は、決めたことは決め事としてしっかりと処理しようとするが、決められていないとやらないし出来ないため。
・ビデオカメラで自分の日常を撮り、後でどんなひどいことを言っているか確認する。※極度の自閉症の人の場合は難しいが、グレーゾーン発達障害の人は後で内容を聞けば、自分はこんなひどいことを言っているのかと気付き、言わないように自分で心がけ始めることができる。
・自己暗示を毎日20分声に出して行う。(俺(私)は無条件に自分が大好き!)
※これは、自己肯定感が低い人や、特に幸せを感じられない人が行うと効果が高い。
・自分が怒る場面を、知り合いの定型発達の人に確認する。こういう場合は怒るのか?と事例を上げて確認する。
※概して発達障害の人は怒りやすい部分があり、定型発達の人とは捉え方が違うため確認が必要。意外と自分ではこれは怒るだろうと思うことを定型発達の人は怒らなかったりする場合が多々あり。