ユニセフ=国連児童基金は、日本や欧米などの先進国の子どもの貧困が全体として減少しているものの、貧困状態にある子どもは依然6900万人以上に上るとする報告書をまとめました。
ユニセフは2023年12月6日、OECD=経済協力開発機構やEU=ヨーロッパ連合に加盟している先進国43か国を対象にした、子どもの貧困についての報告書を公表しました。
それによりますと、2014年から2021年にかけて経済が安定して成長したことや、ヨーロッパで最低賃金が引き上げられ生活水準が向上したことなどから、子どもの貧困率は全体でおよそ8%、減少したということです。
一方で、2021年末時点でも、依然として6900万人を超える子どもが貧困状態にあるとしています。
日本の子どもの貧困率も2014年までの3年間の平均が18.2%だったのに対し、その後、母親の就業率や正規雇用率が上昇し、家庭の所得が増加したことから、2021年までの3年間の平均は14.8%に減少し、調査が行われた各国のうち、8番目に改善が進んだとされています。
一方で、専門家によると「日本ではふたり親世帯と1人親世帯の格差が拡大している可能性がある」と指摘し、「貧困状態にある子育て世帯への現金給付などの公的機能は他の国に比べ劣っている」として、支援の充実が必要だという考えも示しています。