通常時、生活福祉資金貸付制度というものがございます。それは、お住いの地域の社会福祉協議会からお金を貸し付けてもらう制度です。通常これは、返済の義務があり、返済が免除になることはありません。
しかし今回のコロナ禍に、これとは別に(ほぼ同じ名前ですが)、生活福祉資金の特例貸付というものが出ました。基本的内容は、生活福祉資金貸付制度と同じく、お金を貸し付けてもらう制度ですが、2021年3月18日に決まった内容では、生活に困窮された方の償還を免除(要は返済しなくて良いですよ、という事)するという内容です。
詳しくは、こちらの厚生労働省の特設ページで案内されていますが、下記に条件を綴ります。
今回の特例措置では、二つの資金とも、償還時において、なお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができる取扱いとし、生活に困窮された方にきめ細かく配慮します。
具体的な取扱いについて、次のとおり資金種類ごとに一括して償還免除を行います。
【緊急小口資金】
・令和3年度または4年度のいずれかが住民税非課税※である場合。
【総合支援資金】
・初回貸付分:令和3年度または4年度のいずれかが住民税非課税※である場合。
・延長貸付分:令和5年度が住民税非課税※である場合。
・再貸付分 :令和6年度が住民税非課税※である場合。
※住民税非課税を確認する対象は借受人及び世帯主。
と記載されています。
要は、上記条件に当てはまる人は、借りたお金の返済をしなくてもいいですよという内容です。また、借りるには審査があり、下記留意点や注意点もあります。
・この資金は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休業等により収入の減少があり、緊急かつ一時的に生計を維持するための費用が必要な世帯に対する貸付制度です。新型コロナウイルス感染症の影響による収入減が理由でない場合には、貸付けできません。
・生活保護受給世帯へは貸付できません。
・生活福祉資金を滞納している世帯に対しては、原則として貸付けできません。
※各自治体により細かい内容や、他の条件が記載している所もありますので、お間違いがないように、お住いの(住民票が登録されている)地域の社会福祉協議会にご確認ください。
各地域での相談先は、こちらよりお問い合わせ下さい。厚生労働省のページに飛びます。
本貸付は、全て電話と郵送だけでのやり取りとなるそうで、窓口は設けないと聞いています。また、書類作成するのはそんなに難しくないので、
東京都での例。
こちらより東京都社会福祉協議会に飛び、詳細を確認しながら、同ページの申込み書類をダウンロードして、手書きで記入して、郵送して申込みが完了です。その後電話がかかってきて、必要なことを確認されるそうです。書類のダウンロード・印刷が難しい方は、問い合わせ先より、送付してもらうことも可能です。
また、問い合わせ先の電話番号は、こちらの厚生労働省のページよりご確認下さい。各地域の社会福祉協議会のホームページだと今回の特例には対応していない電話番号の可能性があります。
手続きと聞くと色々と大変なイメージですが、返済なく資金を給付してもらえる機会はあまりありませんので、コロナでお困りの方は、是非とも申請するようにしてみて下さい。
また、通常の生活福祉資金についての説明を下記に記載しておきますので、必要な方はご参照下さい。
目次
「生活福祉資金貸付制度」は、低所得者や高齢者、障害者の生活を経済的に支えるとともに、その在宅福祉及び社会参加の促進を図ることを目的とした貸付制度です。
本貸付制度は、都道府県社会福祉協議会を実施主体として、県内の市区町村社会福祉協議会が窓口となって実施しています。低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯等世帯単位に、それぞれの世帯の状況と必要に合わせた資金、たとえば、就職に必要な知識・技術等の習得や高校、大学等への就学、介護サービスを受けるための費用等の貸付けを行います。
また、本貸付制度では、資金の貸付けによる経済的な援助にあわせて、地域の民生委員が資金を借り受けた世帯の相談支援を行います。
平成27年4月から施行された生活困窮者自立支援制度は、生活上のさまざまな課題を抱えた方に、包括的な相談支援を継続的に行うことにより、自立の促進を図ることを目的としています。
この生活困窮者自立支援制度の施行に伴って、本貸付制度においても、より効果的に低所得世帯等の自立支援を図るために、生活困窮者自立支援制度と連携した貸付を行うこととして、その見直しが行われました。総合支援資金と緊急小口資金の貸付にあたっては、就労支援をはじめ包括的な支援が必要であることから、就職が内定している者等を除いて生活困窮者自立支援制度における自立相談支援事業の利用を貸付の要件とすることになりました。
生活福祉資金の貸付けの対象となる世帯は下記のとおりです。
貸付資金は、総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金の4種類です。
各資金の概要や貸付条件は、別表1「生活福祉資金一覧」のとおりです。
別表1 生活福祉資金一覧(平成28年1月28日掲載)(PDF:63KB)
4種類の資金のうち、福祉資金の福祉費は、資金の用途に応じて、別表2「福祉資金福祉費対象経費の貸付上限目安額等」のとおり貸付上限目安額を設定しています。
別表2 福祉資金福祉費対象経費の貸付上限目安額等(平成27年3月31日掲載)(PDF:86KB)
借入申込者は、原則として、連帯保証人を立てることが必要ですが、連帯保証人を立てない場合も借入申込をすることができます。
貸付利子の利率は、連帯保証人を立てる場合は無利子、連帯保証人を立てない場合は年1.5%となります。
※教育支援資金、緊急小口資金及び不動産担保型生活資金は、別表1のとおりの取扱いとなります。
平成27年4月から生活困窮者自立支援制度の施行に伴って、資金種類によって借入申込の流れが一部変更になりました。
①福祉費、教育支援資金、不動産担保型生活資金
福祉費、教育支援資金、不動産担保型生活資金の借入れを希望される場合は、お住まいの市区町村社会福祉協議会にご相談いただき、申し込むことができます。
借入申込者よりご提出いただいた申請書類等をもとに、市区町村社会福祉協議会及び都道府県社会福祉協議会において申込内容の確認と貸付の審査を行い、貸付決定通知書または不承認通知書を送付します。貸付決定となった場合は、都道府県社会福祉協議会に借用書をご提出いただいた後、貸付金交付となります。
なお、借入を希望される方の状況に応じて、包括的な支援が必要な場合は、生活困窮者自立支援制度と連携しながら支援を行います。
②総合支援資金、緊急小口資金
総合支援資金、緊急小口資金の借入を希望される場合は、生活困窮者自立支援制度における自立相談支援事業の利用が貸付の要件となります(既に就職が内定している場合等を除く)。最初にお住まいの市区町村社協にご相談いただいた場合は、資金借受希望等をおうかがいさせていただき、自立相談支援機関の利用につながせていただきます。
自立相談支援機関において、相談者の個々の状況に応じて、自立に向けた支援プランの検討とあわせて、ご相談の中で生活福祉資金(総合支援資金、緊急小口資金)の利用の可能性が考えられる場合に、借入額や償還計画等についてご相談させていただいたうえで、必要書類を添付し、申請いただくこととなります。
借入申込者よりご提出いただいた申請書類等をもとに、都道府県社会福祉協議会において最終的な貸付の審査を行い、貸付決定となります。貸付決定となった場合は、都道府県社会福祉協議会に借用書をご提出いただいた後、貸付金の交付となります。
(参考)生活困窮者自立支援法
生活困窮者自立支援法とは、平成27年4月から施行され、全国の福祉事務所設置自治体が実施主体(委託も可)となって、複合的な課題を抱える生活困窮者に対する包括的な相談支援や就労支援が実施されます。この法律の施行に伴い、生活福祉資金貸付制度はこの制度と連携して相談者の自立に向けた支援を行っていくこととなります。
生活困窮者自立支援制度の具体的な内容はこちら(厚生労働省ホームページ)
以上