健康に過ごすために、食事から取るべきエネルギーや栄養素の摂取量の基準を定めた「日本人の食事摂取基準」の案について、厚生労働省は2024年3月6日開かれた検討会で取りまとめました。「日本人の食事摂取基準」は健康に過ごすために摂取すべきエネルギーや栄養素について厚生労働省がまとめていて、5年に1度改定されています。
過去の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)
使用期間:令和2年度から令和6年度の5年間。はこちら
案では一日に必要なエネルギー量は、身体活動レベルが普通の人の場合で、男性は18歳から64歳では2600から2750キロカロリー、女性は18歳から64歳では1950から2050キロカロリーを摂取することを目安としています。
また、食物繊維については最新の研究で、多くとるほどがんや糖尿病などの生活習慣病の発症率が低くなることが明らかになっているとして、「理想的な摂取量」を、成人でこれまでよりも1グラム高い一日25グラムに設定しました。
ただ、2018年と2019年の国民健康・栄養調査に基づく日本人の食物繊維の摂取量の中央値は、18歳以上の成人で一日13.3グラム程度と理想的な摂取量よりもかなり少ないことから、厚生労働省は摂取を目指す「目標量」として、成人では一日に男性は年齢によって20グラムから22グラム以上、女性は年齢によって17グラムから18グラム以上と基準を設定しました。
このほか、食塩については、摂取量が増えると高血圧のリスクが高まるとして、成人は一日に男性で7.5グラム、女性で6.5グラム未満の摂取を目標量としました。
厚生労働省はこの基準を正式に取りまとめて公表する予定で、再来年度から給食や医療介護施設での栄養管理などに活用されます。