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生活保護、「親族照会」は申請者の意向尊重を 厚労省が新通知で前進

生活保護前進

今までは一定の場合を除いて生活保護を申請すると、自治体の福祉事務所が申請者の親族に援助ができないかどうか確認する「扶養照会」がありましたが、今後、厚生労働省は照会を拒む申請者の意向を尊重するよう求める通知を自治体に出しました。通知は2021年4月1日付。

新型コロナウイルスによる困窮者の増加に対し、扶養照会のため「家族に知られたくない」と生活保護の申請をためらう人が多く、批判が出ていたためです。支援団体は新通知を「満点とは言えないが大きな前進」と評価しています。

拒む理由「特に丁寧に聞き取りを」

福祉事務所の職員が実務で参照する生活保護手帳別冊問答集に「要保護者が扶養照会を拒んでいる」場合には「その理由について特に丁寧に聞き取り」を行って、親族が「扶養義務履行が果たせない者」に該当するか否かという観点から検討するよう求めました。

弁護士や有識者らでつくる生活保護問題対策全国会議の小久保哲郎事務局長は「これまで申請する当事者の意思は確認の対象になっていなかった。不要な扶養照会を相当減らせる」と指摘。その上で「われわれは申請者が事前に承諾した場合に限ることを要望しており、このレベルまで行ってほしい」と、一層の改善を厚労省に求めました。

一般社団法人「つくろい東京ファンド」(東京)が昨年末から年始に実施したアンケートによると、生活に困窮していても生活保護を利用していない人の3人に1人が、その理由を「家族に知られるのが嫌だから」と回答しています。

「生活保護を親族に知られたくない」…申請時の扶養照会見直し求め支援団体が厚労省に署名提出

実は、前々から生活保護の申請には親族への扶養照会があり、それに関して支援団体が運用見直しの要望を出していました。

また、現在新型コロナウイルス禍で生活困窮者が増える中、生活保護の申請時に自治体が申請者の親族に援助の可否をを尋ねる「扶養照会」について、困窮者支援団体が2021年2月8日、「家族に知られるのが嫌で、生活保護の申請をためらう人がいる」などと運用の見直しを求め、3万5806人分の署名を厚生労働省に提出していました。扶養照会を行うのは申請者が事前に承諾し、援助が期待できる場合に限るよう訴えました。

生活保護法は、生活保護より父母やきょうだい、子など親族による扶養を優先する。各自治体では明らかに扶養できない事情がある人や長年交流が断絶している人、DV被害者などを除き、仕送りなどが可能かを問い合わせている。

一般社団法人「つくろい東京ファンド」(東京)が昨年末から年始に、生活に困窮している人に行ったアンケートでは、生活保護を利用していない3人に1人が「家族に知られるのが嫌だから」と回答。「家族から縁を切られると思った」「今の姿を娘に知られたくない」などの声もあった。

しかし実際扶養照会により金銭的な援助があったケースは少なく、厚労省の担当者は「1、2%ほどになると思う」と話していました。同法人には、自治体職員からも「意味がないのでは」という声も寄せられていたそうです。


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