仕事を失った状態が1年以上続いている「長期失業者」は、総務省の労働力調査で2021年7月から9月は月の平均で66万人に上り、2020年の同じ時期より18万人増えたことが分かりました。総務省は新型コロナウイルスの影響による求人の減少などで失業が長期化する傾向が続いているとしています。
総務省が行った「労働力調査」によりますと、働く意欲はあるのに仕事が見つからない「完全失業者」は2020年7月から9月は月の平均で191万人で2020年の同じ時期より11万人減りました。
このうち、仕事を失った状態が1年以上続いている「長期失業者」は66万人に上り、2020年の同じ時期より18万人、率にして37.5%増えました。
「完全失業者」のうち、「長期失業者」の割合は34.6%で新型コロナウイルスの感染拡大以降で最も高くなっています。
厚生労働省によりますと、仕事を失った人を支えるための雇用保険の失業給付は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた特例が設けられていますが、長い人でも360日で給付期間が終わります。
支援団体によりますと、長期失業者が生活に困窮するケースは多いということです。
総務省は「雇用調整助成金などの国の支援策で失業者の大幅な増加は抑えられている一方で、求人の減少で再就職が難しいことなどから、失業が長期化する傾向が続いている」としています。
厚生労働省は、ハローワークなどで企業の求人を開拓する取り組みを続けるとともに、相談の体制を拡充するなど再就職の支援を強化しています。
厚生労働省は新型コロナウイルスの影響が続く中、失業が長期化する人などを対象に支援を強化しています。
再就職が難しく生活が困窮する失業者などを対象に、全国の社会福祉協議会を窓口に当面の生活費を借りることができる制度を設けて活用を呼びかけています。
「緊急小口資金」は20万円を上限に、「総合支援資金」は2人以上の世帯の場合、1か月20万円を上限に3か月間借りることができ、いずれの制度も無利子です。また、一定の収入以下の場合は返済が免除となりますので、収入が非課税世帯の方などは借りたほうが得な制度となっています。返済免除の詳細はまだ確定ではないので、今後の情報も待ちましょう。
また雇用保険に入っていなかったり、失業給付の期間を終えたりした人が、月10万円の給付金を受け取りながら職業訓練を受けることができる「求職者支援制度」も設けています。
厚生労働省は全国のハローワークで企業からの求人を増やすための取り組みを続けるとともに、相談の体制を拡充するなど再就職の支援を強化しています。