2024年8月5日
国連の国際労働機関(ILO)は12日発表した報告書で、貧困などの危機によって日常的な「現代の奴隷制」の状態に苦しんでいる人が5000万人近くに上り、2016年より約930万人増えたとの推計を明らかにしました。
報告書によると、うち半数超が強制労働に従事させられ、残りは強制的に結婚させられています。「脅迫、暴力、詐欺、権力の乱用といった強制のために拒否できなかったり、離れることができなかったりする」ため、どちらも「現代の奴隷」の状態に該当となります。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)、武力紛争、気候変動などの危機でより多くの人々が極度の貧困状態に陥り、移住を余儀なくされているのが状況を悪化させていると指摘しました。
ILOのライダー事務局長はロイターに対し「全般的に見て、われわれが手を緩めてしまったと思う。強制労働に関して目を離してきた」との見方を示し、雇用慣行と労務管理の改善を求めました。
ライダー氏は、欧州連合(EU)が現在検討している強制労働による製品や輸入品の禁止などの貿易措置も役立つと指摘しました。