2022年度に「心の病」で休職した公立学校の教員が、前年度比10・9%増の6539人と過去最多を更新したことが2023年12月22日、文部科学省の「人事行政状況調査」で明らかになりました。
全教員に占める割合も0・71%で過去最高です。教員不足が深刻化する中、精神疾患による病気休暇が目立っている若手教員の支援や、復職対策が求められています。
調査は、全国の公立小中学校、高校、特別支援学校などの全教員91万8987人が対象で、各教育委員会を通じ状況を集約しました。
精神疾患による休職者は642人増えて6539人となり、全教員に占める割合は前年度より0・07ポイント増え0・71%となりました。職者数は07年度以降、おおむね5000人台で推移していましたが、初の6000人台に乗りました。
在職者に占める割合をみると、小学校0・77%(3202人)▽中学校0・68%(1576人)▽高校0・49%(849人)▽特別支援学校0・96%(872人)――などで、特別支援学校が最も割合が高いです。
年代別休職者は、20代0・84%(1288人)▽30代0・84%(1867人)▽40代0・85%(1598人)▽50代以上0・60%(1786人)――となります。
年度ごとに新たに休職し始めた教員数をみると、20年度が3037人▽21年度が3807人▽22年度が4192人――と近年、増加傾向にあります。
22年度の4192人は、23年4月時点で1520人が復職しましたが、1905人が引き続き休職し、767人は退職しました。
文科省は「教員不足により、いわゆる『できる教員』に仕事が集中する一方で、相談相手の中堅教員が不足しているなど複合的な要因がある」と分析、23年度に一部自治体で復職支援の効果を検証する調査を始めましたが、「まだ対策を探っている段階。校長、教頭だけでなく、学校外の産業医らと連携した復職支援体制を強化したい」としています。