政府が大幅に増額するとしている「出産育児一時金」について、厚生労働省の審議会で議論が行われ、引き上げた場合の財源を75歳以上の高齢者にも負担してもらうべきだという意見が出され、今後、検討を進めていくことになりました。
原則42万円が支給されている「出産育児一時金」をめぐって、政府は来年度から大幅に増額する方針を示していて、全世代型の社会保障の実現を目指す会議の主要なテーマの1つとなっています。
※出産一時金とは、出産費用に対して支払われる助成金になります。基本的に出産費用は各病院ごとに費用が異なっています。
こうした中、増額する場合の新たな財源の在り方について、29日開かれた厚生労働省の社会保障審議会で議論が行われ、担当者から現在は原則、健康保険や国民健康保険など現役世代が加入する医療保険からまかなわれていることが説明されました。
これに対し委員からは「少子化対策は国全体の課題で、現役世代だけでなく高齢者も含めた全世代で負担すべきだ」という意見が多く出された一方、一部からは「年金生活者は物価高の影響を受けている。負担が増えるのは望ましくない」という懸念も出されました。
審議会は29日の議論を踏まえ、現在は一時金の財源を負担していない75歳以上の人に負担してもらうことも含めて検討を進めていくことになり、2022年中に、結論を出すことにしています。